冷えとり健康法の治療法・考え方 

 『冷えとり健康法』というと、普通は体を治療する治療法−健康法を指します。しかし、実のところ冷えとり健康法は"健康法"という名前をとってはいますが『体を治す治療法』と『生きる上での考え方』の二つが合わさったものです。
ここでは体を治す『治療法』と生きる上での『考え方』のそれぞれについて解説しています。
冷えとり健康法−治療法

 現在ごく一般的に普及している『西洋医学 (国立、県立、私立などを問わず、いわゆる"病院") 』は人間の体を局所的に捉え、症状が出るとその部分だけかあるいはそこに関係がある少しの部分だけを診て治療を施します。この『西洋医学』に対して、人間の体全体を診て治療を施すのが『東洋医学 (鍼や灸などが有名) 』です。そして、冷えとり健康法はこの東洋医学を超えて生まれた、人間の生活全体を診て治す新しい治療法です。

 私達は日常生活のなかで無意識のうちに体内に『冷え』を溜め込んでおり、この冷えによって内臓に『毒の気』が作られ、これが病気の原因となっています。病気というのはこの毒の気が溜まり続けて、体がこれ以上は耐えられないという限界になったときに初めて外に現れる現象で、体は自らを守るために自然治癒力を発揮して毒の気を比較的軽い症状にし、少しずつ体外へ出しています。体はそうすることによって大病を防いでいるのです。しかし、この自然治癒力も『冷え』が溜まってくると本来の力を発揮できず排毒力が弱まってしまい、突然命に関わる病気に罹ったりします。この例として今までこれといった病気もせず元気に生活してこられた方がいきなり大病を患って亡くなられる、という事がありますが、これは溜まりに溜まった毒の気が体の限界を超えていきなり病気の症状として発現してしまったからで、それまでが『健康』であったわけでは決してないのです。また3ヶ月前の健康診断では『健康』だったのに最近検査を受けたら癌の末期で手遅れだったなどという話も聞きます。これは病院側の検査に問題があるわけではなく本当に症状はなかったのです。ただ症状として出る前の毒の気が溜まっていたので、病気のはっきりした症状、その兆候が現れないと分からない西洋医学では発見できなかったのです。また、西洋医学の手術や投薬といった治療法は、体が排出した毒の気=症状を一時的に押さえ込むだけで本当に無くしてはいません。この押さえ込まれた毒がまた症状として出てくるのが『病気の再発』です。

 このように考えてくると、病気の原因=体内に溜まった毒の気、毒の気が溜まる原因=冷え、というように大元の悪い原因は体内の『冷え』であるという事がご理解いただけることと思います。ここまで解ると後は簡単、"悪い結果=病気"を無くすために"悪い原因=冷え"を取り除いてやればいいだけです。これが冷えとり健康法の治療理論であり、名前の由来(冷えをとって病気を治し、また予防もするので"冷えとり"健康法)です。

 冷えている状態というのは、「下半身の体温が上半身よりも低い」「体の表面より内部のほうが体温が低い」の二つのことを指します。このことは私達の体をサーモグラフィー (赤外線センサーを用いて物体の温度分布を計測し、画像化する装置) で見てみるとはっきり確認できます。そして、この冷えている状態が作られてしまう状況というのは主に、「上半身を暖め下半身を冷やす服装をしている」、「生きるのに必要な量以上の食物を食べている=食べ過ぎ」、「自分本位の考え方で他を顧みない」、の三つです。大抵の人が全く意識しないうちにこの状況に陥り、自らの体を悪くしているのです。ですから、この状況から脱し毒の気を排出するために、冷えをとって溜めないこと、すなはち、『下半身を暖め上半身よりも体温を上げる』『必要最小限の食べ物をよく噛んで食べる』『他人本位の考え方で周りの助けとなる』の三つを行えばよいわけです。

『下半身を暖め上半身よりも体温を上げる』ために最も簡単な方法が、靴下の重ね履き&下半身の着衣(下着も含む)の重ね履きです。その際特に毒を吸いとる力の強いシルクを肌に直接触れるように身に着けることを強くお薦めします。それから入浴時には必ず半身浴をして下さい。半身浴はみぞおちから下だけお湯に浸かる入浴法で、下半身を暖めるので血液の循環を良くし排毒を促進します。入浴ができない時は適当な大きさの盥にお湯を張って足湯をすると効果的です。夜お休みになる時にはゆたんぽを入れると、寝ている間も排毒が進みます。
『必要最小限の食べ物をよく噛んで食べる』ためには食事の量を減らして、腹六分くらい食べたらやめておくのが理想的です。そしてここで重要かつ注意が必要なのが食材です。人間の体はもともと100%自然のものですので、農薬や食品添加物などの科学的に合成されたものが含まれた食品を摂取すると、体はそれを取り込み少しずつ確実に命は蝕まれていきます。特に農薬は元々害虫(人間が付けた全くもって傲慢な名称ですね)を殺すための毒薬で、そんなものが生物の体に入って悪影響を及ぼさないわけがありません。またこういったものは土壌を汚し水を汚してしまうので、環境にとっても大きなマイナスです。いま農薬・添加物まみれの食品が大量に生産されているのは、それを買い支える人間がいるからですので、完全無農薬・無添加の食品を選び買い支えることで、危険な薬物を排除し、自分の体と環境の両方を健康にしていきましょう。
『他人本位の考え方で周りの助けとなる』ためには、難しいことですが常に自分の"言動"を客観視し、それが本当に正しいか自問していく姿勢が重要です。自分のどこが正しいかと考えるより自分のどこが間違っているのかを考えた方が、自分の本当の姿を知り、改善していくのに役立つのではないかと思います。
冷えとり健康法−考え方

 現在地球は土壌汚染、海洋汚染、大気汚染など、人間が行った自分達の利益のみを優先した行為によって徐々に生物の住みにくい環境に変えられつつあります。また、自然環境の問題以外にも社会の歪みによる心の荒廃から生まれる多種多様な社会問題など、すぐに何とかしなければならない問題は山積みです。
 冷えとり健康法の目的は、治療法によって単に個人の病気を治すということだけではありません。人が地球に生きるひとつの生物として、他のものの役に立てるように手助けをすることが冷えとり健康法の本来の目的です。自分自身が病気の状態にあっては、先に述べた問題を解決することは元より自分のこともままならず、他のものの役に立つどころかかえって迷惑をかけてしまうでしょう。これでは本末転倒というものです。
 自力で実践できる冷えとり健康法でまず心身共に健康 (普通の状態) になった上で、今生きている以上その責任をきちんと果たし、社会を、ひいては地球をより良い状態に変えていくために努力する、というのが冷えとり健康法の考え方です。

 こういう言い方をすると難しく聞こえるかもしれませんが、まずは出来ることから少しずつ確実に行うことが大切です。例えば資源のリサイクルに協力することやボランティアに参加すること、自分本位ではなく他人本位のスタンスで行動することなど、自分で取り組めることを考え実行していくことが将来的には大きな問題を解決することにつながります。
冷えとりを行うに当たって、冷えとりを始められた医師・進藤義晴先生著『新版万病を治す冷えとり健康法』を読まれることをお薦めします。冷えとりに関する基本的な事柄をほとんど網羅していますので、これをお読みになって冷えとりに対する理解を深め、実践に結び付けて下さい。
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